ビジネスコラム

コンプライアンス・公務員倫理とは

  •  日本におけるコンプライアンスの意味

アメリカのビジネス界で「法令遵守」の意味で使われていたコンプライアンス「Compliance」は、80年代後半から90年代ころに日本のビジネス界にも広まりました。
コンプライアンスは、日本では、アメリカと比べて、広い意味で使われます。
すなわち「法令」のみならずその背景にある精神や価値観、さらに「倫理や社会規範に従うこと」の意味でも使われます。

 

  • 法律や倫理の特徴

法律・規則の特徴は、明文化されていることです。
人間社会の多くの規範の内ごく一部が明文化されています。
本人の意思や考えに関係なく、「従わなければならないもの」として示される他律的な規範といえます。
一方、デメリットとして、予想外や想定外の状況に対応が難しいことや、規則さえ守っていれば何をやっても良いよい、グレーゾーンだから大丈夫という錯覚を生む可能性あることなどがあげられます。

倫理の特徴は、明文化されていないことです。(ただし、公務員については、国家公務員倫理法、倫理規定、倫理条例、地方公務員法など明文化されているものもあります。)
子供の頃、両親やお祖父さん、お祖母さん、学校の先生、ご近所のおじさんなどから、教えられてきた人間として行わなければならない正しい道のことです。
例えば、「嘘はいけない」、「弱いものいじめはいけない」、「平等であるべき」などです。
そして、複数の原則が人によって相反することもあり、どの原則を拠り所にするかは、本人の意思に委ねられる自律的な規範といえます。
また、明確な基準がないわけですから、どのような状況でも応用できますが、一方で、自ら「考え」判断することが求められます。その部分では、非常に難しいのです。

例えば、市役所・公務員の例でいうと、
職員の個人の携帯電話(仕事の用事で使うこともある)の電池が切れそうなときに、役所の電源コンセントにケーブルを差し込んで充電しても良いでしょうか、悪いでしょうか。
おそらく、100人の職員さんに聞くと答えは割れると思います。

また、こんなケースはどうでしょうか。
昼食に自宅から持ってきたお弁当を食べました。夏場なので、臭くなると行けないので、市役所の流し台で水道を使い、お弁当箱を水洗いしました。
これも、おそらく、100人の職員さんに聞くと答えは割れると思います。

これは簡単な倫理の問題ですが、このように人により価値観が違うため、答えが一つにならないのです。また、このようなことまで法律やルールで決められていないことが多いため(勿論限界があります)、答えが割れるのです。

それでは、答えはどうなるでしょうか。
そのような場合のヒントは、市民や住民の視点です。
そして、それを拠り所に組織や職場の皆さんで話し合って決めれば良いのです。明文化しないまでも、口頭で確認するだけでも良いのです。それが規範や組織文化です。

このように、日本では法律以外のルールや価値観や、倫理、社会規範などもコンプライアンスに含まれるため、それを遵守することが難しいのです。
守るためには、色々なことに視野を向け、顧客や市民の視点で常に考えることが必要となります。

以上

 

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2014年10月5日