パワーハラスメントの問題を起こさない上司の指導とは(1)
1.こっちが、うつ病になってしまいますよ
パワーハラスメントに関する研修(セクシャルハラスメント・パワーハラスメント防止研修)を行うと、
よく「こっちが、うつ病になってしまいますよ」という声を管理職の方から聞きます。
と言いますのは、講義の中(パワーハラスメントがもたらす影響というテーマの中)で、
パワーハラスメントの問題が起きると、場合によっては、刑法の傷害罪、暴行罪、脅迫罪、名誉毀損罪、侮辱罪、強要罪などの罪を問われることがありますよ。
結果として、懲役刑や罰金刑、拘留、科料などの刑罰が科されるという話しが出てきます。
また、パワーハラスメントにあたる行為の具体例(暴言を吐く、机を叩くなど)を学ぶ中で、
あれをやってはいけない、これもいけないと言われます。
この様なことを聞いている内に、現実のビジネスで、上位と部下との狭間で厳しい立場に立たされている中間管理職の方々にとっては、今後、どのように部下指導をして行けば良いのか、分からなくなってしまうのでしょう。
ちなみに、厚生労働省のアンケート調査(過去3年間にパワーハラスメントを受けた経験の有無)では、正社員(管理職)、正社員(男・女)、正社員以外(男・女)の中で、正社員(管理職)が最も比率が高かったというデータもあります。
2.パワーハラスメントの問題はなぜ増えてきたのか?
ここ数年、このパワーハラスメントというキーワードが、世の中で一般化してきました。
それに伴い、パワーハラスメントの問題が、私たちの身近なところでも、しばしば発生するようになりました。
パワーハラスメントの問題が増加している背景は様々ありますが、最も大きな要因は、この”パワーハラスメント“というキーワードが一般化したことで、部下が上司の発言や行動を問題がある行動だと認知するようになったことだと思われます。
認知しなければ、問題はなかったのかもしれないことが、そういうことが問題であると言うことを些細なことも含めて認知することで、部下側はパワーハラスメントだと思うようになりました。
このように世の中の環境は、あっという間に大きく変化しました。
一方で、上司は急には変われないというのが現実です。
また変わるといっても、何をあるべき姿にして、どのように変わればよいのかも分からないというのが実情だと思います。
そもそも、はじめから上司としての指導方法を事細かに学んだことがないという上司の方が多く、
自分の上司や先輩のやり方を真似たり、踏襲したりするというのがほとんどだと思われます。
(続き)
パワーハラスメントの問題を起こさない上司の指導とは(2)
【関連研修のご紹介】
セクシャルハラスメント(セクハラ)・パワーハラスメント(パワハラ)防止研修
2014年1月14日